フリーランスの確定申告をする際に、青色申告ができれば大きな節税効果を受けることができます。しかし、青色申告をするためには開業届を提出するなどの一定の手続きが必要なのです。そのため、フリーランスとして仕事を始めた時期によっては1年目は白色申告しかできないというケースも出てきます。青色申告をするために必要な手続きや、白色申告について説明してきます。
まず、青色申告をしようと考えている人は、必ず開業届を税務署に届け出る必要があります。この届出は、開業してから2か月以内に提出する必要があるということなので、フリーランスとして働くことになってから2か月以内ということになります。その期間内にちゃんと届出を行った場合でも、必ず青色申告ができるとは限りません。実はこの届出を出した後で、それが事業として認められるかどうかが審査されるのです。この審査に無事に通った人だけが青色申告をすることができるというわけです。フリーランス1年目で青色申告をしようと考えている人は、タイミングによっては青色申告が認められない場合もあるので注意が必要になります。青色申告の利用には開業届を出すのに加えて、青色申告承認申請書の提出もしなければいけません。そして、この申請書は開業日がいつなのかによって提出すべき期限が変わってくるのです。もし開業日が1月16日~12月31日であれば、開業日から2か月以内に提出すれば問題ありません。しかし、もし開業日が1月1日~1月15日であれば、開業した年の3月15日までに提出しなければならないということになっています。つまり、まだ大丈夫だと思ってすぐに提出しないでいると、提出期限を過ぎて1年目は白色しかできないということにもなりかねないのです。
青色申告は、白色申告よりも控除があるなどの恩恵を受けられるということで、必要な準備が多くなっています。そのため、青色申告が提出書類の関係でできないというケースだけでなく、申告に必要な手続きや準備が面倒だからという理由で白色申告を使う人も大勢います。フリーランス1年目は収入が少ないことも多いため、まずは確定申告がどのようなものかを見るために白色申告をしてみるのも良さそうです。白色申告をするという場合は、国税庁のホームページでも税務署に行くのでも、どちらのやり方でもすることができます。白色申告には「収支内訳書」と「申告書A」という書類が必要になりますが、これらは全て国税庁のホームページから入手することができます。そのため、書類を入手しつつそこから申告もできてお得です。一方で、税務署に行って申告する場合は、税務署まで行くのに手間がかかりますが、その分わからないことがあればその場で教えてもらうことができるため、初めて確定申告をする人でも問題なく申告することができます。
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